笑いのメカニズム

芸人のネタの作り方はどうやってるか?実際に作りながら解説

ネタ作りというのは、全ての物作りと同じだと思います。これからの時代は、コンテンツホルダーが優位になると言われています。情報発信する場合でも、世の中の出来事や自分の体験した情報をまとめ直すだけではなくて、それを1つのコンテンツ(教材)に出来る力があると他の人と差別化できます。

そのためには、どうやってコンテンツ化するのかを知っておく必要があります。高学歴の人のやり方を見ても、自分に出来るのか懐疑的です。しかし、芸人というのは、高学歴でもないのに、素晴らしいネタの構築力を備えています。

お客さんの前でスベるというのは、とてつもない恐怖です。その恐怖に打ち勝って、多くの人に感動を与えています。ビジネスマンが学ぶべき対象は、高学歴のエリートサラリーマンやコンサルタントではありません。

毎日のようにテレビやYouTubeで拝見してる芸人さん達のネタ作りは最高の教材です。学ぶべきポイントがたくさんあります。そのポイントについて解説していきたいと思います。

タロウ
芸人さんのように面白く出来るかな?
龍さん
芸人さんのようになる必要はないよ。その考え方を学べばいいんだよ
タロウ
そっか。じゃスベり倒してもokですよね?
龍さん
笑わせるためではなくて、良い物を作るために学ぶんだよ
タロウ
そっか。そう考えると芸人さんって凄いですね
龍さん
知らない人を笑わせるって本当に凄いし素晴らしい事だね

タロウ
じゃ何回も読み直して頭にすり込みます!

記事と一緒に動画を見ると理解が深まります

ネタ作りでやらない方がいいこと

芸人がネタを作る時は、まずは設定出しから始めます。僕が20代前半の頃、それを先輩から教わるまで、冒頭の一行目のセリフから書いていました。でも、この作り方をすると、全く進まずに、一人で悩んでる時間が長くなります。

思いついた、たった1つの面白い事を具現化するために一行目から書いていました。でも、その1つを書き終えると他のアイデアがある訳ではないので、すぐに壁にぶち当たります。さらに、自分で書いた文章が正しいフリになっていない場合、面白いアイデアが生まれません。

コントや漫才に限らず、小説、映画、ドラマ、舞台、アニメ、全ての創造物において、冒頭から書いていく人というのは珍しいでしょう。まずは、設定を探して、その設定では、どんな事が起こり得るか、というアイデア出しをします。

そのための第一歩が設定出しです。そこから完成するまでの手順を実際にネタを作りながら説明していきます。

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設定を出す

先ほども書きましたが、全ての創造物のスタート地点は、まず設定出しからです。設定なんて関係ないぐらいの面白いキャラクターを思いついた時は、そのキャラクターがどうすれば生きるのか、という考え方からスタートする時もありますが、基本的には、まず設定出しからです。

 

 

設定を出す3つのポイント

いい設定を見つける事ができたら、80%ネタ作りは成功したようなものです。過去に見た事があるような、同じような設定では、同じようなボケしか生まれてきません。だから、まだ誰もやっていなさそうな設定を探します。そのためのポイントをまとめました。

 

緊迫感のある状況

設定探しのポイントとして、緊迫感のある設定だと、笑いが生まれやすいです。例えば、お葬式、です。悲しい雰囲気に包まれているので、ふざけた事をした時点で、ボケになります。

爆弾処理班や銀行強盗といった緊迫した状況というのは、その場所に、アホな後輩や、新入社員といった人物を登場させて、ミスするといったような進め方がやりやすいでしょう。他には、以下のような設定も緊迫感を作りやすいと思われます。

 

他の設定

・義父に「義父さん、娘さんを下さい」と言いにいく時

・怖い上司の新居祝いに呼ばれた新入アホ社員

・泥棒に入ったら、すでに泥棒がいた

 

などといった緊迫感が作りやすい設定は、その雰囲気を壊しやすいので笑いが作りやすいでしょう。ただし、これらの設定は、すでに誰かがやってる可能性が高いので、ここから、アレンジしていく必要があります。他には、以下のような状況も緊迫感のある設定です。

 

 

義父さん、娘さんを下さいをアレンジするなら

「お義父さん!娘さんを僕に下さい!」をアレンジしてみましょう。まず義父が、性転換手術をして、女性の容姿になっていたとします。見た目も気持ちも、すっかりと女性になっていたので「お義父さん!」と呼ぶと怒り出す、などといった発展のさせ方でもいいかもしれません。

もしくは、違うパターンとして、お義父さんはすでに亡くなっており、シングルマザーと娘の親子だった。そして、義母さん!娘さんを僕に下さい、と伝えようとしたら、義母が元彼女だった、という展開。さらに元彼女である義母には、まだ借金が残っており、別れた原因も自分の浮気だった、という展開。

このように、どこかを変える事によって、多くの人が知ってる設定の中で、誰もやっていない状況を作り出す事も可能になります。

 

隠し事がある状況

人に言えない隠し事がある状況です。付き合ってる婚約者に、貧乏なのに資産家の息子だと嘘をついてる、というようにバレてはいけない嘘をついてる状況です。

他には、3人組のコントとして以下のような感じです。

彼女が出張で遠くに行ってる時に、たまたま昔の彼女がヨリを戻したいとやって来た。すると、遠くにいたはずの彼女が仕事が片付いたので今から来ると電話して来ました。とりあえず昔の彼女をクローゼットに押し込みます。そこに今の彼女が帰ってくる、といったような感じからスタートしていきます。

他には、万引きして捕まったけど、何も盗んでないと嘘を突き通すというような状況も考えられます。

何かを隠すために嘘をついて、その嘘を正当化するために、また嘘をついて、主人公の言い訳が、どんどん苦しくなってドタバタしていく、といったような展開です。

 

万引きした捕まった人をアレンジするなら

万引きした犯人は老人だとします。万引きGメンに捕まり、何も盗んでいないと言い張るが、持ってるリュックやキャリーバッグの中身も全部、万引きした商品だった、というような状況。名前も年齢も住所も全部、嘘ついてる。

万引きGメンが「お爺ちゃん、名前を教えて?」と言っても、ダダをこねて名前を言いません。しかしスマホに電話がかかってきて、自分で「もしもし山本です」と本名をバラしてしまう、などと言ったような展開が考えられます。

さらに、着てる上着もズボンも全部、値札がついていて、パンツにも値札がついており、身につけてるものは全て、万引きした商品。

キャリーバッグやリュックの中身を確認すると盗んだものは全て服。理由を聞くと、着るものもない子供達が風邪を引いて困ってる。子供達の命を救うためにやった、と弁解する。

しかし、また電話がかかってくる。ひっきりなしに電話がかかってくる。電話の正体は、メルカリで販売してる服への問い合わせだった。この老人、盗んだ服は、全て、メルカリで販売していた、というような展開です。

 

 

日常的な状況

例えば、緊迫感のない普通の設定を思いついたとします。喫茶店の店員と客のコントとしましょう。これだけでは何も面白い事が起きません。

こういう場合は、登場人物のキャラを作っていく必要があります。特徴のあるキャラクター同士を会話させたい場合があります。特に場所は選ばず、不自然な感じではなく、落ち着いて喋れる場所として、喫茶店を選ぶという事もあります。

カップルの別れ話であったり、刑事と情報提供者の密談であったり、変わり果てた同級生同士の会話などです。

他には、喫煙室で、新人ダメ社員と社長とかでもありです。ダメ社員が大きなため息をつくと、それに反応する社長。

 

セリフ

社長「何かあったんですか?」

ダメ社員「この会社の経営陣がバカだから、安月給で働かされてるんだよ」

 

などと、社長に愚痴り出します。その後も会社のダメ出しを社長と知らずに言っていく、みたいな展開です。

このように場所そのものには緊迫感はありません。しかし登場人物の背景によって、切羽詰まったような状況を作ることはできます。

 

 

特徴的なキャラの会話をアレンジするなら

場所が普通の時は、登場人物に特徴を持たせます。変わり果てた同級生同士の会話をアレンジしていきたいと思います。

登場人物は、ツッコミ側のキャラクターが、学生時代は極悪非道の不良だったけど、大人になり改心して刑事になった男性。ボケ側の人間は、同じクラスの男性で、学生時代は、イジメられっ子だった反動で、大人になってヤクザになった男です。

そんな2人が同じ喫茶店で出会います。

 

 

ヤクザになった男は、不良だった男は、もちろん不良のままだと思っています。そこで、自分も悪くなったことをアピールしたくて、悪さ自慢をしていきます。

セリフ

ヤクザ「薬をやってんだよ」

ヤクザ「詐欺で荒稼ぎだぜ」

ヤクザ「他にも強盗をやってるな」

 

などなど思いつく限りの悪さ自慢をしていきます。

そして、散々、悪さ自慢をした後で、今の近況についての会話になっていきます。

 

セリフ

ヤクザ「俺は、見ての通りだけどよ、お前は今、何やってんだよ?」

刑事「あぁ、俺は悪いことはやめたよ。だって良い歳こいて、そんな事ダサいだろ?」

ヤクザ「なんだとこの野郎!喧嘩売ってんのか!」(と胸ぐらを掴む)

刑事「俺、今、刑事なんだよ」

ヤクザ「良いスーツだね」(と手を離す)

 

 

 

こんな感じで、刑事と知ってからビビり出すヤクザの男。

セリフ

刑事「そういえば、お前、さっき薬やってるって言ってなかった?」

ヤクザ「薬屋さんでバイトしてるだけだよ〜」

刑事「詐欺で荒稼ぎって言ってたよな。オレオレ詐欺か?」

ヤクザ「違うよ〜、鳥のサギを使えて売ってるんだよ。メルカリで売れるんだよ」

刑事「メルカリでサギなんか売れんのか?あと強盗やってるとか言ってたな」

ヤクザ「強盗じゃないよ。ほら、俺イジメられてただろ。そんな過去を捨てたくて後藤って名前に改名したんだよ」

刑事「後藤に改名って、お前、江頭じゃん。そんなに変わってねぇだろ」

 

このようにして喫茶店が、取調室のようになっていくような展開です。

 

 

要素の並び替えて文章化

この段階では、まだ文章化しないで下さい。まだまだ思いつく限り、起こり得る要素を出していきましょう。

 

要素出しが終わったら、物語に相応しい順番に並べ替えましょう。

 

ここまでできたら、これを文章化していきます。これぐらいの分量であれば、4〜5分のコントは出来上がります。文章化していく過程で、思いついていなかったボケが出てきます。それらを散りばめていくと良い具合にできると思います。

 

 

まとめ

これが、ネタができるまでの流れです。この作業工程は、芸人のネタ作り以外の物作りにも流用できると思います。これから物作りをしていく多くの人の参考になれば幸いです。




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